社長にとって、事業承継の主な節目は「事業承継の必要性を認識する時」「後継者を決定する時」「後継者と交代する時」「引退する時」となるでしょう。
このうち、後継者が決まってしまえば、交代・引退の時期は社長の判断である程度前後できるでしょう。 しかし、後継者が決まっていない場合、事業承継を認識してから後継者を決定するまでの期間は、なかなか社長の意思ではコントロールの効かない、経営上のリスク要因となります。
ある調査((社)中小企業診断協会)によると、事業承継の必要性を認識してから後継者を決定するまでに要した期間は、(すぐに決定した場合を除くと)2年~26年と幅があり、全体の4割が、7年~10年かかっています。 これは見方を変えると、「全体の7割が10年以内に」「全体の7割は7年以上かかって」決定している、ということです。 候補が明らかでない場合、後継者選びは 7~10年程度かかると考えておいた方が良さそうです。
「平成22年簡易生命表」によると、65歳の男性の平均余命は約19年、10年後の生存確率(10年後の生存数との比率)は約83%です。遅くとも50代後半のうちに後継者選びに取り掛からない場合、社長はロシアン・ルーレット並のリスクを取っていることになります。
女性の場合、この比率が83%になるのは72歳です。 後継者選びを始めるのが遅くて良い、という意味ではありませんが、女性社長の方が(男性社長よりも)猶予があります。
カテゴリー:STEP2 候補者選び・後継者育成