古参社員への対応について

事業承継

古参社員への対応について

質問

古参社員が後継者と対立するのを事前に防ぐには?

答え

古参社員が後継者と対立し、会社経営に支障をもたらすケースは比較的多く見られます。


たとえば、先代経営者が強烈なカリスマ性をもった経営者であり、古参社員も先代経営者のカリスマ性があったからこそ、先代経営者のために尽力してきたというような場合です。



このように先代経営者に強い信頼を有している古参社員がいる場合、先代経営者が引退して後継者に経営を移行していく過程で、後継者のサポートや古参社員の立ち位置について、懇切丁寧に説明し、理解を得る必要があります。
そういた説明や理解を得る努力なく、いきなり、「今度は○○が後継者だからよろしく」といった簡単な形で承継を進めていこうとすると、古参社員の反感を買い、後継者による新体制経営に支障を及ぼす可能性があります。特に、その古参社員が、他の社員からの信頼も厚いというような場合は、他の社員も古参社員の側につき、周囲に味方がいないといった状況も考えられます。

このようにならないために、先代としては、次のような対策を考える必要があるでしょう。


ア. 後継者選定の過程、選定の理由、後継者の経営理念、後継者による新経営体制の中身等について丁寧に説明し理解を求める。
イ. 後継者による新体制の支障とならないよう人事異動を行う。古参社員のこれまでの実績や経験にも十分配慮した人事異動であることも説明する。
ウ. 古参社員が高齢の場合には、先代と一緒に引退をしてもらう。場合によっては、退職金など相応の待遇も考える。


対策を講じるにあたっては、古参社員の共感や納得を得られるよう誠意をもって実行することが最も大切です。
なお、人事異動や引退を促す際に、労働条件・退職条件などでトラブルが予測される場合には早い段階から専門家に相談することをおすすめします。





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カテゴリー:STEP3 相続・事業承継計画